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Yamotty Blog

プロダクトマネージャーの雑記

プロダクトマーケットフィット(PMF)とはどんな状態か?

プロダクト プロダクト-プロダクトマネージャー

市場の要求を満たしたプロダクトの状態を表す言葉として『プロダクトマーケットフィット(PMF)』というものがある。これはシリコンバレーで著名なVCであるMarc Andreessenが考案(以下)したと言われている。

Product/market fit means being in a good market with a product that can satisfy that market.


このプロダクトマーケットフィットとは具体的にどんな状態を指すのか、今回はプロダクト開発者という目線で考察してみよう。

プロダクトマーケットフィットは理想状態

まず重要な前提として、プロダクトマーケットフィットは理想状態、すなわち現実には存在し得ない状態を指す言葉だ。市場というのは無数の参加者が形成するバーチャルな取引所。無数、という言葉から分かる通り、参加者全員の要求が完全に一致することはありえず、市場の要求を100%満たすプロダクトマーケットフィットという状態はあくまで理想状態だ。

市場からの要求は理論的にはプロダクトが存在する限り自然増する。プロダクト開発者はできるだけ要求を満たし、プロダクトマーケットフィットへ近づくための「不断の努力」が求められる。

Github issues = 0の状態

プログラミング言語を使用したソフトウェア開発の現場ではGitという履歴の管理システムや、Gitを拡張し、プロダクト開発を加速させる機能を補完したGithubというツールが広く使われている。

このGithubにあるissuesという機能を利用して、プロダクトマネージャーは市場や顧客、そしてチーム内からの要求を具体的な開発項目へと文章化し、プログラマーとのコミュニケーションを行う。

ちなみにGithubは先日、このissuesをトヨタ生産方式の代表格である「カンバン」によって管理できるGithub projectsという機能を発表した(詳細についてはこの記事(Qiita)を参照してみてほしい)。

プロダクトマーケットフィットという状態は、プロダクトが市場からの要求に応えきった状態であるから、開発ニーズのあるissuesが0の状態とも言えるのではないだろうか。

小売店の売上と利益と在庫

Github issuesの例えを「小売店の売上と利益と在庫」のメタファーで捉えなおしてみたい。

一般的に小売店にとって最も重要な指標の一つは売上であり、もう一つは利益である。これら最大化するための商品の仕入れ戦略というのは非常に奥深い。

  • 在庫が少なく、品切れをおこすと「売り逃し」という機会損失をおこし、売上を取り逃してしまう
  • 「売り逃し」を十分に避けられる在庫を積むと、余剰在庫がコストとなり、利益を圧迫する

というジレンマがあるからだ。そこで多くな小売店が取るオーソドックスな戦略は、

  • 在庫を0にせずにあえて余るように持つ
  • ただし売上に対する余剰在庫比率を適切に抑える*1

ことで売上と利益をコントロールすることだ*2

本来、小売店にとっては『一切の余剰在庫が出ずに、さらに売り逃しも起きないジャストな数量の在庫を持つ』ことが市場の要求にフィットした状態ではある。

しかしながら、現実的に不可能であるため「あえて余剰を創り、余剰をコントロールする」というのが最もスマートな戦略となるのだ。

適切な在庫 = issue をコントロールできる状態

この小売店の例からプロダクトマーケットフィットの実践的な姿が見えてくる。

僕は実際のプロダクトマーケットフィットとは『Github上のissueが十分な速度で消化され続けつつも、消化量の10~20%程度が常に余剰している状態』だと考えている。すなわち、

  • 確かな開発力で市場ニーズを解き続けつつも、
  • 常に検証待ちの仮説がストックしてある状態

である。

いくつかのプロダクト開発の現場に関わってきたが、実際に上記のような状態にある開発現場では、『励起状態(元気)』であることも多い、

チームが真っ直ぐにプロダクト、そして顧客に向き合っている状態だからこそissuesは消化されつつも、「あれもこれも検証したい」というような仮説ジャンキーな状態。そしてチームがその状態を楽しんでいる。

プロダクトマーケットフィットをKPIで測るのは難しい。しかし、その理想状態へ向かうチームの状態こそが物差しになるかもしれない。

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*1:もちろん商材毎・業態毎に適切な比率は異なるはず

*2:当たり前だが実践は極めて難しい