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Yamotty Blog

プロダクトマネージャーの雑記

総合商社からNPOへ

ポエム

ご報告

3/31をもって新卒で入社した現在の会社を辞め、東北復興支援へフルコミットするNPOへ転職することを決めました。 在職中お世話になった方を始め、この文章を呼んでくれる皆様に御礼申し上げます。

NPOで飯が食えるのか

会社の方や友人にこの報告をする度に必ず聞かれる質問がこれだ。

「なぜNPOにいくのか?メシは食っていけるのか?」

この質問だけだと記述不足かもしれない。 文脈を補足すると、彼らの質問の前提には「NPOはお金が稼げない、慈善事業団体」という既成概念が刷り込まれていることが多いように感じた。

すなわち、

  • 現在の会社に務めることで得られる「安定したキャッシュ・フロー」
  • 「仕事を通じた自己実現」

などのメリットを犠牲にして、社会奉仕の心一つで貧しくも仕事を続けていくのかお前は!という若干心配の意を込めて聞いてくれる。

それ自体はとても有難いことなので、その度に「あのですね…」と補足を付け加えてきたんだけど、数人に話したあたりから彼らが納得できるようにきちんと説明できていないことにもどかしさを覚えた。ちょっと整理が必要だ。

NPOは稼げるのか?

会社と同じで、場所による、というのが事実。 会社とNPOの違いは厳密には一点しかない。すなわち、事業を通じて得た利益剰余金を内部留保するのがNPO、オーナーへの配分するのが会社である。 それ以外に実は違いがない。NPOでも人件費は当たり前に必要だから給与は支払うし、そこで働く一個人の目線で言えば「ちゃんと稼げる」場所ということになる。


よく理念の違いを取り上げてNPOと企業の違いを説明する方もいる。 「NPOは社会利益の最大化、会社は経済利益の最大化を目指す…」といった対比で。これ自体は起業時点での違いをコントラスト効かせてわかりやすく説明されているように思うんだけど、僕はこれは過去の定義だと感じている。 会社も社会価値を提供することが強く求められるようになっており、実質的に社会価値の最大化を追求することで経済価値を高めているのが現状だからだ。もはや「社会に大した価値を産まない事業」は厳しく批判されて撤退を迫られる世の中になりつつある。この文脈からNPOと会社の違いは殆ど無いといえる。要は共に市場原理に基づき、社会に必要とされることを行えばお金は入るし、そうでなければ潰れる。

アメリカの例

他国の例を引いてきて申し訳ないんだが、NPO先進国とよばれるアメリカだと、

雇用に占める割合は10%近くに達する。すそ野が広く個人や地域に身近な存在として浸透しており、そのうちいくつかのNPOは大企業並の財力・運営力・人材力を兼ね備え、国内外に大きな影響力を持つ。 *1

何かを成し遂げるためのハコとして、日本だと会社に入ったり起業したりくらいの道しか思いつかない。つまりNPOはマイナーだけど、アメリカだとその選択肢にNPOが入るんだよね。

わたし自身はどうなるのか

上は全部一般論で、次は僕自身はどうなるのか。 正直働いてみないとわからない。

  • (DOWN)転職先では給与も出るけど、3ヶ月は試用期間ということも有り、一向に試用期間給与から上がらないと仮定すると今年の半分の年収までダウンする。
  • (DOWN)暮らしていくのにギリギリのレベルだけど、死なないからOKとする。
  • (UP)一方、仕事上のプール、泳げる範囲は圧倒的に広がるだろう。
  • (UP)会社の若手として担えるような範疇を超えた仕事の仕方ができる。成長機会としての魅力を感じている。もちろん「成長」は目的というより副産物なんだろうけど。

20代として過ごせる残り5年の期間の内に、一人で事業を回せるほどのスキルをなんとかブチ込みたい。問題解決ができるリーダーシップを身に付けたい。

伊賀氏の著書「採用基準」にあるとおり、NPOは日本における最大のリーダーシップ養成機関だと信じてる。なぜなら意志を持った強い個人が、問題解決のために組織しない限りNPOはそもそも成立しないからだ。僕が次に所属するNPOだってそうだ。 解決したい問題が合って、そこにフルコミットする。これは多くの場合会社員じゃできない。

純に東北のために仕事が出来る、ってのは僕にとってかなり大きな魅力だった。そもそもネイチャーが東北なわけで、被災時も現地にいた。被災直後から微力ながら復興には関わってきた。

東北は日本につながっている

過疎化や産業の空洞化、事業誘致の難しさ、教育の弱さ、コミュニティの閉塞感などが震災後の東北で顕在化した問題だ。

これらの問題は、外から見た日本の問題と完全に一致する。つまり東北を復興するモデルがつくれれば、それは日本復興モデルになりうる、横展開が効く(かもしれない)ってことだ。

東北を復興するためには、ぼんやりとした感覚だけど、世界とつながっていかなきゃいけない。日本の内部だけで解決できる問題じゃない。だから、まずは東北という場所で、復興という名の下に使えるだけのリソースを使って色々試す。これができるのはまさに「震災後3年目、ハード面の復旧が落ち着いた」という今のタイミングしかないと思う。

次はコミュニティの再生や、そこに生きる人達がくらせる場所を取り戻していくこと。そのための産業を再生したり創出すること。また人が集まる土地を作り、活気を産んでいくこと。そういうタイミングが今だ。

このタイミングで、様々な企業の若手が東北に移って躍動し始めている。彼らも志や目論むところは同じで、東北から日本を向いている。心強い。一緒に頑張れるって思える仲間がいるのは超重要。

誰かが人生の転機に真剣に考えたことは、次の誰かの人生の転機につながるはず。

頑張ります。