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Yamotty Blog

プロダクトマネージャーの雑記

新米プロダクトマネージャーへおすすめしたい12冊

プロダクト プロダクト-プロダクトマネージャー

プロダクトマネージャーには共通した悩みと、それに対する処方箋がある

日本最大のプロダクトマネージャーコミュニティ(参加者約800名)「PMJP」。のなかで 「プロダクトマネージャーとしてキャリアを始める際にどんな本を読めばよいか」というトピックが非常に盛り上がった。

そこで、まず新米プロダクトマネージャーがまず直面する課題を4つに分類し、それに対する処方箋となるような本を他薦・自薦含め12冊ほどピックアップしてみました。

決してMECEではないが、特に関心度の高いと感じるセクションについてまとめてみます。

プロダクトマネジメントという概念は形式知としてそこまで蓄えられているものではないため、これらの本が新米プロダクトマネージャーを救うことを心より祈っています。

1 / プロダクトマネージャーの原点とは?

日本においてはプロダクトマネージャーというポストの存在自体がまだまだ認知途上。新米のプロダクトマネージャーがはじめにぶつかる問題は「どんな役割を担えばよいかわからない」というものだろう。そんな問いに答える、PMJPでも人気の本を3冊ピックアップした。

【増補版】製品開発力―自動車産業の「組織能力」と「競争力」の研究

【増補版】製品開発力―自動車産業の「組織能力」と「競争力」の研究

1993年に刊行された『製品開発力』では日米欧自動車産業への詳細な調査から、製品開発を成功に導く組織能力ーー擦り合わせ型、部品メーカーの活用、製造能力の活用、重量級プロダクト・マネジャー等々ーーが明らかにされた。

  • 日本において製品開発におけるプロダクトマネージャーは主に自動車産業でその役割を発展してきた経緯がある
  • しかしその知見はとりわけ国内の各社に閉じてきた。
  • 世界を席巻した「日本の分業型製品の開発」の現場において、責任者であるプロダクトマネージャーがどういった役割を果たしてきたか、はじめて体系的に整理された本である。

Inspired: 顧客の心を捉える製品の創り方

Inspired: 顧客の心を捉える製品の創り方

著者マーティ・ゲーガンは、ヒューレットパッカード、ネットスケープ、アメリカオンライン、イーベイなど、名だたるシリコンバレー企業で活躍し、製品やサービスの開発に色々な立場で携わってきた。 「Inspired」は、彼の二十年に渡る製品開発の経験を凝縮したプロダクトマネジメントのバイブルである。世界的に急速に変化する情勢の中で、顧客を惹き付ける製品をいかに作り上げていくのかという命題に対し、マーティは非常に具体的な解法で答えている。

  • すでに日本のPMのなかでバイブルとしてその地位を確立しつつある本
  • ebayという巨大プロダクト開発を通じた知見をもとに「プロダクトマネージャーに求められる機能(=役割)」を整理した点が多大な人気を集めている理由だと思うが、
  • 個人的に最も好きなのは著者が「情熱こそもっとも重要な要素である」と繰り返し説いている点。

世界で闘うプロダクトマネジャーになるための本 トップIT企業のPMとして就職する方法

世界で闘うプロダクトマネジャーになるための本 トップIT企業のPMとして就職する方法

「PMの採用面接をどう突破するか」というテーマを掲げつつ、PMとして活躍するためのスキルやアプローチを網羅した一冊となっています。PMという仕事の概要から、PMとして体得しておくべき知識や考え方、面接でよく聞かれる質問、効果的なレジュメの書き方、キャリアアップのアドバイス、そして米国の代表的なIT企業におけるPMの位置づけに至るまで、まさに多岐にわたります。

  • 「USにおいてPMは一般的職種」「すなわち採用対策がある」という前提を理解してから読もう。ちなみにUSのPMは高給である。
  • PMに求められる資質を体系化する前半のパートと、面接対策の後半という構成で分かれており、
  • 「PMになったけど何をすればいいんだ」というのを最も簡単に理解するにはこの本の前半が有用だと思う(ただし、前の2冊と比較すると若干の軽さは否めない)

最後に、これらを踏まえた上でプロダクトマネジメントのルーツについて考察した1万字のエントリがあるので、お時間がある方はぜひ読んでみて下さい。

blog.yamotty.com

2 / プロダクトマネージャーに要求される課題解決スキル

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現在ビズリーチでプロダクトマネージャーを務める丹野さんが「コンサルの1年生が学ぶ問題解決スキルはPMに通じるところがある」とおすすめしていた、課題解決系のフレームワーク本を3冊。

仮説思考―BCG流 問題発見・解決の発想法

仮説思考―BCG流 問題発見・解決の発想法

論点思考

論点思考

マッキンゼー流 入社1年目問題解決の教科書

マッキンゼー流 入社1年目問題解決の教科書

  • 個人的に論点を抽出して仮説を持つクセ付けなど、簿記会計の知識同様にすべてのビジネスパーソンに求められるスキルだと思っている
  • 自分の場合はコンサルのインターン→商社というキャリアのはじめで、この手のフレームワークを散々使ったので、そもそも必要性に気づかなかった(逆に飽々だと思っているフシすらある)
  • 一方でエンジニア→PMというパスの場合(このパスが一番多い)は、技術的なアドバンテージがある分、ビジネススキルを習得することが有用なのかも、と新鮮な発見があった。
  • 僕のような非技術者がPMに就いた時に技術を学ぶ必要があるのと同じですね。

3 / コーディネーションスキル

プロダクトマネージャーはエンジニアやマーケターのようなあるスキルを深堀りすることでパフォーマンスが高められるタイプの職種ではない。製品という目的に関わる全ての交差点に位置するのがPMである。この点で、僕は商社マンと同様のスキルが必要だと思っている。すなわち、全プレイヤーとの接点となり、相手と同様の言語を用いながら問題解決を促していくコーディネーションスキルだ。ここでは僕が商社マンとして入社一年目に、同じ部署にいた大先輩に勧められた本を紹介しておこうと思う。

ビジネスコミュニケーションの技術―アカウンタビリティの基本スキルから応用実践まで

ビジネスコミュニケーションの技術―アカウンタビリティの基本スキルから応用実践まで

  • すでに廃盤となっているがAmazonマーケットプレイスで1円。
  • 異なる言語を扱う人間同士がコミュニケーションを取る際にケアすべき要点をまとめた本。「異なる言語」とは日本語と英語という関係のみでなく、石油業界、鉄鉱石業界、など業界ごとに抑えるべき前提やテクニカルターム、言い回しを意識しましょう、という内容。案外見落としがちになるものです。
  • なお僕が英語のメールでミスディレクションを起こした際に、何も言わずこれを買えと言ってくれた先輩がかっこよすぎた記憶がある。

なお、特にweb/アプリ製品の開発現場では当然の共有知となってしまっているversion管理手法「git」や、gitを拡張したツールである「github」などはエンジニアとのコミュニケーションで当たり前として扱われるため、僕のような非エンジニアPMにとってはコーディネーションの第一歩としてマスト習得なツールでもある。同じ境遇の方にはこちらをおすすめしたい。

GitHub実践入門 ~Pull Requestによる開発の変革 (WEB+DB PRESS plus)

GitHub実践入門 ~Pull Requestによる開発の変革 (WEB+DB PRESS plus)

また、PMの重要な仕事の一つに「仕様書を書く」というタスクがある。エンジニア・デザイナー・マーケター・経営メンバーなど多くの関係者に対し、「このプロダクト(機能)はなぜ必要なのか」「これを創ることでどんな仮説を検証しようとしているのか」といったストーリーを共有するために、そして各位のハラオチ感を醸成するためにも精度の高いドキュメンテーション能力が求められる。そんな時におすすめしたい一冊はこちら。

考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則

考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則

  • 「書く」という行為は最終的に「読者を動かす」という見落としがちな前提がある。すなわち、良いライターは良い先導者になることができる。
  • 人を動かすドキュメントには、定型的な論理構造がある。構造を学ぶだけで、我々の仕様書は全く違うものになる。

4 / マーケティングをはじめよう!

エンジニア→PMというパスを指向する方の中には、「技術を使ってどうやって創るか」の前段に「何のために/何を創るべきか」という問いに疑問を感じPMを志す方が多いように見受けました。

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仮に自分がエンジニア出身だった場合、も頭を悩ませそうだなと感じるのが「プロダクトの意義 = 解決する課題」そして「プロダクトにどうやってユーザーを呼び込んでいくか」というマーケティングイシューだなと想像する(勝手に)。しかしマーケも結局は型とPDCA力でなんとかなってしまうものだと思うし、課題解決が得意なエンジニアなら誰でも習得可能だろう。このセクションでは、マーケについての思考のハードルを下げるための良著を紹介してみよう。

キャズム Ver.2 増補改訂版 新商品をブレイクさせる「超」マーケティング理論

キャズム Ver.2 増補改訂版 新商品をブレイクさせる「超」マーケティング理論

  • プロダクトは仮説検証を最速で行うためのMinimum Viable Product(MVP)、そしてからマーケットのニーズを見事に満たすProduct Market Fit(PMF)へと成長する。
  • PMFが見えてくると、今度は大きなユーザーを獲得しプロダクトを浸透させていくフェーズへ進む。その際に見られる、初期市場からメインストリーム市場への移行を阻害する深い溝を「キャズム(Chasm)」という。
  • ITプロダクトのマーケティングの最大のissueはこのキャズムを超えることにある。キャズムを認識することとその対策を理解するに、マストの本であろう。

ドリルを売るには穴を売れ

ドリルを売るには穴を売れ

  • 「もしドラ」的なストーリーベースで進む、マーケター必読と言われる入門書。マーケティングで大事なのは、物ではなく価値を売るという考え方とそのためのHow toのみである。
  • How toは(本質は変わらないものの)時代によって使うべきツールが違ったり、対処すべきプラットフォームが違ったりするので、実践で学ぶ他無い。であれば、知識として持っておくべきは考え方のみで、それは綺麗なフレームワークではなくこの本に描かれるような肌触り感だと思っている。

GILT(ギルト) ITとファッションで世界を変える私たちの起業ストーリー

GILT(ギルト) ITとファッションで世界を変える私たちの起業ストーリー

  • 作者: アレクシス・メイバンク,アレクサンドラ・ウィルキス・ウィルソン,孫泰蔵,実川元子
  • 出版社/メーカー: 日経BP社
  • 発売日: 2013/04/18
  • メディア: 単行本
  • この商品を含むブログ (1件) を見る

  • US発フラッシュセールサービス「GILT」のヒストリー本。この本は創業者が立身していく過程を描いたストーリーとしての一面と、GILTをグロースハックした詳細なユースケースとしての一面と2面あると思う
  • 特にProduct Market Fitを探りながら、バイラルを通じて地方都市でサービスの認知を高めていく施策は非常に見事であり、B2Cプロダクトのマーケティングとして一つの成功事例を築いたとも思える。投資家の期待値をなかなか超えることができずに近年はスランプを報じられる機会の多い「GILT」だが、過去のケースに学ぶ箇所は多い。

B2Bの「これだ!」というケーススタディがよくまとまった本は現在探してます。

5 / プロダクトマネージャーの情報収集術

最後に、日本におけるPM事情の最前線についてどうやって知識を得るか、について、3つ書いておこうと思う。

1. プロダクトマネジメントについてまとめた記事をチェックしてみて

  • このブログで20本以上、プロダクトマネジメントをテーマにした記事を投稿しています。

blog.yamotty.com

  • またMediumの方では海外のプロダクトマネージャーのポストを翻訳した『Product Note』というメディアも運営しており、両方ともぜひチェックしてみて下さい。

medium.com

2. PMJPに参加しよう

  • Product Managers Japan (PMJP)
  • 最近急激にメンバーが増え、数百者の知見が持ち寄られる国内最大級のPMコミュニティ(Slack)だ。

3. rebuild.fmを聞こう

rebuild.fm

  • 最近のPMに関する盛り上がりを受け、USで活躍するエンジニアがPMケースを語る機会が増えている最近のrebuild.fm。
  • 本と違い、スキマ時間に1.5倍速で聞き流せる軽さも良いです