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Yamotty Blog

プロダクトマネージャーの雑記

経営の”踊り場”問題

本記事は「経営の踊り場問題」と勝手に呼んでいる問題とその対策について、わざわざクリスマスの夜に行った4つのツイートをまとめ・補記したもの。主にスタートアップや新規事業など「急速な成長」を前提とした組織体を想定している。

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停滞期に起きること

踊り場が目線を内に向ける

リリースした直後は底にいるので、サービスは伸びるしかない。難しいのは伸ばし続けること。ふとしたきっかけで、「日常的な成長」は幻だったと気づく。

こういう時にマネジメントがやりがちな例を挙げると、

  • 「問題の原因や解決策をいろんな目線から多角的に議論する」
  • 「見落としが無いよう、細かなロジックを組み、精緻な計画を再構成する」
  • 「社内の信頼を取り戻すため、組織イシューに着手する」

すべて一見正しそうに見える。しかし内向きで、本質である顧客を向いていないことが多い。これは全て自分が過去にした失敗でもある。

売上は全てを癒す

組織でなく痛みに向き合う

「経営の停滞問題」に直面すると、「良いヒューマンマネジメント」「良いチームづくり」に重きが置かれ、納得感を生み出すことに多くの時間と心が消費される。しかしそれは「問題からの逃避」であると気づかなくてはいけない

停滞している理由はチームマネジメントに失敗したからではなく、顧客の痛みを特定し、解決することができていないからだ*1

解決策は一つしかない。トラクションの成長を取り戻すことだ。こういう状況下で、顧客の痛みを探し出しあてるのはチームの力ではなく、一人の頑固な嫌われ者の熱狂だったりする。*2痛みを突き止め取り除くことだけに集中できるか。

トラクションの成長が戻るとチームは自然と「外向き」に戻る現象もよく観測される。

必要な「嫌われ者」

プロダクトマネジメント

周囲が内向きな仕事をしている時にNoを言うのは非常にカロリーが高い。内向きな仕事というのはやっている本人からすると「チームみんなのため」というメンタルになり、それを否定する行為だからだ。特にマネジメント層が内向きになった時に、下の立場からNoを伝えるのは相応の勇気が要る。

このブログのテーマの「プロダクトマネジメント」はまさにこの状況下で顧客に向き合い続けることと同義だと思っている。プロダクトマネージャーはただの役職名だが、プロダクトマネジメントは「状況に流されずプロダクトに向かう」姿勢を意味する(と、思っている)。

積極的に嫌われていこう。顧客に愛されないプロダクトを創るチームに、価値はないのだから。

追伸

と、偉そうなことを書いていたら少し前にnaoyaさんが同じようなことを書いていた。

また、一連の「踊り場問題」はターンアラウンドのケースには本当に”よくある話”。最もわかり易い例だと三枝3部作のひとつが、「組織の自己変革の難しさ」を描いており、そのまんまである。

V字回復の経営―2年で会社を変えられますか (日経ビジネス人文庫)

V字回復の経営―2年で会社を変えられますか (日経ビジネス人文庫)

なぜなら第一に、普通の人間は誰しも自主努力だけで簡単に自分を変えることは出来ない。心に大きな影響をおよぼす何らかの出来事がない限り、自分の価値観、行動パターン、好き嫌い、リスク感(安心や不安の感じ方)などを自発的に切り替え、習慣を崩し、突如として革新的行動に出ることなど容易にできない。組織も同じなのである。

昔の書評記事も良ければどうぞ。

Rebuild.fm #171

更にrebuild.fmでnaoyaさんに言及してもらい、言いたかったことをスパッと代弁してもらえた🗣 個人的にも「人から良く思われたい」という当然の欲求と戦ってプロダクトやその先の顧客に向き合いたいものだ🤔

rebuild.fm

*1:ちなみに「停滞」はKPIに現れるが、「痛み」は現れない。サービスに絶望した顧客はその足跡(log)を残すこと無くそっと去っていく。

*2:会議に「NO」、膨大なスプレッドシートに「NO」、バイアスの掛かった創り手の言葉に「NO」を言い、ただ「絶望した顧客の心理」に向き合う地道で辛い仕事をやり続ける熱狂。