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Yamotty Blog

プロダクトマネージャーの雑記

NEXTサーバントリーダーシップ / 『最高のリーダーは何もしない - 藤沢久美』

読書

最高のリーダーは何もしない―――内向型人間が最強のチームをつくる!

最高のリーダーは何もしない―――内向型人間が最強のチームをつくる!

移動時間の2時間ほどで読了。

これまで1,000名以上の多彩なビジネスリーダー(上場企業経営者からベンチャー経営者)へインタビューを行ってきた著者が感じる「求められるリーダーシップの変化」とそこから導かれる「変化の早い現代におけるリーダーシップの在り方」の考察を手助けしてくれる本。

本著を読む前の重要なコンテクストとして、

  • 著者自身が起業~バイアウトを経験したアントレプレナー
  • 及びミュージックセキュリティーズ株式会社監査役、豊田通商社外取締役といった”客観”から企業経営に関与
  • 4桁人の経営者へのインタビューから得られた知見

という主観・客観・知見と3つの情報を束ねている点が優位な点だと思う。

0 / リーダーシップの要素

リーダーシップの取り方というのは大きく2つの要素に分解できると思っている。

  • 経営者、課長、のようにポジションによって最適化すべきテクニック
  • 人を動かし、望む成果を得るための時代最適な手法

後者において、現代多くのビジネスマンから評価・支持されているスタイルといえば「サーバントリーダーシップ」である。これはリーダー自身がサーバント=奴隷のように、「メンバーが業務へ集中しやすい環境を創る」スタイルだ。

具体的には、

  • 雑務を取り除く
  • ムードや環境を創る
  • メンタリングにより将来・キャリアへの不安を取り除く

といったサポートによってチームの集中力、生産性を高めることで、アウトプットを最大化していくリーダーシップスタイルになる。

ただしこのリーダーシップスタイルは、リーダーが本来示すべき「ビジョンの欠如」という危険を孕みやすい傾向があると感じており、その点について一度記したことがある。

blog.yamotty.com

『最高のリーダーは何もしない』は一見タイトルを見るだけでは「サーバントリーダーシップ」の焼き直しのように見える。しかし実の主張は全く反対だ。

本著が提案する理想のリーダーシップは 「ビジョンを伝える言葉をもち、伝え続けること。それでいて嫌われないこと」である。

1 / ビジョンとは直感である。直感を生むには?

  • ビジョンとは直感(inspiration)である。日産のカルロス・ゴーンの中でビジョンが生まれた時に、彼自身もビジョンを説明する言葉を持つことができなかった。
  • 直感は高い事業解像度(知識)と誰よりもビジョンを考えぬくことからしか生まれない。

「私は将来、(ブータン)国王になり、さまざまな意思決定に関わることになるので、リーダーとしての決断について伺わせてください。ゴーンさんは『日産はこれから電気自動車の開発を行う』と決めたそうですが、どうやって電気自動車のマーケットがあるという確信を得て、決断をされたのでしょうか?
(中略)
ゴーンさんの答えは、ただひと言でした。 「直感です」——みんなが唖然とするなか、ゴーンさんは言葉を続けました。 「まだ世の中にないもの、これから新たにつくるものが売れるかどうかなんて、調査のしようがないでしょう?」 それ以来、私は「社長トーク」で、リーダーの決断についても意識して聞くようにしています。ゴーンさんは典型的なカリスマ型リーダーのイメージがありますが、じつはタイプに関係なく、ほとんどの社長さんが自分の決断の理由について「直感」と答えます。
(中略)
じつのところ、直感とは、考えに考えて考え尽くした末に、ふと浮かび上がってくる決意です。単なる思いつきや何となくのヤマ勘ではありません。 ですから、リーダーの大切な仕事は、つねに考え続けることです。考え続けた人にしか、直感は降りてきません。

2 / ビジョンを伝えるには”言葉”と”頻度”

  • ビジョンを伝えるためにリーダーは日々試行錯誤しているが、一石二鳥な方法は存在しない。メンバー自身に、いかに毎日ビジョンを想起させ続けられるかが最も重要であり、効果を持つ。

ビジョンの伝達には、周到に用意された演出や高度なプレゼン技術は不要です。それよりも、ビジョンを意識する機会を「いかにたくさん」日常のなかに盛り込めるかが重要なのです。
(中略)
たとえば、直感で決めたことを、そのまま「直感で決めた」とメンバーに語ってしまったら、間違いなく誤解を招きます。 そこで必要なのは、決断したプロセスを「説明」することです。あと付けでもいいので、「なぜそこに向かうことにしたのか」についての論理を組み立てて、しっかりと伝えるのです。

  • リーダーにとっての大事な仕事は以下の2つのみ。それはブータン国王であっても同じ。
    • 「ビジョンを説明する言葉をもつこと」
    • 「ビジョンを話す機会を自ら創りだすこと」

ブータン王国は、現在の5代目国王の父である4代目国王ジグミ・シンゲ・ワンチュクによって民主化されました。 前国王は民主化の際に、ブータンの全国を行脚したと言います。自動車が入れない山奥の村では、途中で車を降りて歩き、「ブータンを民主化する」という大きな決断について、国民に説明して回りました。 国民の一部には「王様が国を守ってくれればいい。民主化して選挙権をもらう必要なんてない」との声もあったそうですが、前国王は国民が納得するまで粘り強く語り続けたそうです。 「私のように国民を大切にしたいと思う国王ばかりが続く保証はない。とんでもない王が現れたときに、国民が独裁を阻止できるよう準備をしておきたい」 そうした国王の言葉にブータンの国民たちは賛同し、民主化に向けて一気に動き出しました。

3 / ビジョナリーながら、嫌われないリーダーが最後に成功する

  • ビジョンを指し示す、ということは「ポジションを取る」行為に近い。
  • ポジションを取ると必ず反対意見を持つ人が生まれ、彼らとの政治的な争いによってビジョンを成し得ぬまま終わっていくリーダーも多いそうだ。
  • 本当にビジョンを成し遂げるリーダーは「嫌われない」ことが実は非常に重要になる。

田中元総理のリーダーとしての考え方をよく表した言葉を、ある人から教えていただきました。それは「広大な中間地帯をつくれ」という言葉です。 「政治家たるもの、自分を好いてくれる人と嫌う人、どちらか一方が増えすぎても、掲げたビジョンを実現することはできない。熱烈な支持者がいる政治家には、同じくらいたくさんの反対派が生まれるし、熱烈な支持者はいきなり苛烈な批判者に反転する可能性がある。だからこそ、好きでも嫌いでもない『中間層』をどれだけつくるかが大切だ」というのが、この言葉の意味です
(中略)
人望が厚い、つまり、敵をつくらない人がリーダーになる。 大きな仕事をするリーダーほど、じつは「嫌われない人」なのです

4 / ”嫌われないビジョナリー”実践のために

  • ではビジョナリーでありながら嫌われないためにはどういった振る舞いが必要なのだろうか。
  • それは、誰よりも言葉に敏感であることではないか。
  • 壮大なビジョンを掲げるリーダーほど、多くのステークスホルダーをもつ。その一人ひとり、相手に応じて嫌われない言葉を選び伝えていく決めの細やかさが求められる。
    • (それ自分めっちゃ苦手やん。。。と思いました)

最高のリーダーは何もしない―――内向型人間が最強のチームをつくる!

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